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夏の甲子園、決勝の残酷…東海大相模・一二三慎太


第92回全国高校野球選手権大会の決勝戦(阪神甲子園球場)。
沖縄県の興南高校が神奈川県の東海大相模高校を13-1で下し、深紅の大優勝旗を手にした。
沖縄県勢の夏の甲子園優勝は初めて。
史上6校目の春夏連覇を成し遂げた。
おめでとう!

忘れもしない、1998年、松坂大輔投手(現レッドソックス)を擁した神奈川県の横浜高校以来の快挙である。
松坂は何と夏の決勝でノーヒットノーラン!
巨人の原辰徳監督などを輩出している東海大相模は40年振り2度目の頂点に立てなかった。
私は横浜に暮らすので、むろん地元に勝ってほしかった(実況は見られなかった)。

興南のエース・島袋洋奨投手は東海大相模の強力打線をわずか1点に抑えた。
力強く冷静な投球が光った。
勝負どころでの直球と変化球の使い分けが見事。
島袋は明徳義塾、報徳学園、東海大相模と、優勝経験のある強豪チームなどを相手に、ほぼ一人で投げ抜いた。
興南は狙って栄冠をつかんだのだから、凄い。

ところで、決勝戦で無残な大差がつくことがある。
一方的な展開だと、私は胸が痛む。
見ていられなくてテレビを消したくなる。
4千校ほどのなかから勝ち上がってきた両チームなので、実力はおおよそ互角のはずだ。
チーム力に決定的な開きはない。
たいていはエースの不調が原因である。
野球は投手の出来がよければ、打者はそれほど打ち込めるわけでない。
勝負だから仕方ないとはいえ、決勝はしばしば残酷な結果になる。

高校野球では投手は負担が極端に重い。
プロ野球では中3~5日開けて投げる。
しかも、「先発⇒中継ぎ⇒抑え」と役割が分かれており、完投はあまりない。
高校野球では選手層が薄く、マウンドに立てるピッチャーは2~3人。
しかし、実質的にエース1人が投げ抜くチームが多い。
それに加え、甲子園はドーム球場でなく、真夏の日中のプレーは体力を奪われる。
まして今年は連日35度以上の酷暑。
グラウンドは40度を超えているかもしれない。

大会運営費用や遠征費用は膨らむが、決勝戦の前に1日の休養を与えられないものか?
気持ちが張り詰めたまま投げつづけている投手はかえって疲労が出てしまうのか?
私は長年、もっといい状態で戦わせてあげたいと思ってきた。

東海大相模のエース・一二三慎太投手だけが連投したわけでない。
が、私はマウンドで投げられるコンディションでないと感じた。
疲労がピークに達しており、球威も制球も本調子と程遠い。
抑えなくてはとの力みから、ボールに切れもなかった。
準々決勝(ベスト8)、準決勝(ベスト4)と悪くなるばかり。
東海大相模は、やはり強力打線の興南に先発全員の19安打を許した。
一二三は16被安打、7回途中交代。
試合後のインタビューは潔かったが、無念だろう。

一二三は選抜(センバツ)初戦敗退後、コントロールをつけるためにオーバースロー(上手投げ)からサイドスロー(横手投げ)に変えた。
全国一の激戦区、神奈川大会(予選)まで1カ月半ほど。
危険な賭けにもかかわらず、チームを決勝へ導いた。
頑張ったね。
お疲れさま。

東海大相模の選手は胸を張って地元に戻ってきてほしい。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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